ご覧いただき、ありがとうございます。 新品未開封のDVDです。 生きていることを知ることになるでしょう。きっと。かならず。 中上健次をめぐる映像を観る人たちは、いったい何に踏み入れようとしているのでしょうか？「差別」「被差別」とのテーマに、どうやって向き合い、ともに生きようと模索しているのかも知れません。 中上という「路地」を照射してきた作家。そしてまた映像作家には、ある種の覚悟が問われます。NHK教育テレビのドキュメンタリーを越境して、青山監督が構成にあたった、このDVDに至りました。 カメラは田村正毅さん。やや霞んだ、夏の日の紀州の映像。もちろんのこと「夏ふよう」もそこにありました・・・・ DVDの基軸には、中上による「路地」の映像を据えています。中上作品が朗読され、紀州・新宮の海へと同道します。秋幸の亡霊のように、かつて「路地」のあった場所を彷徨しては、考える力そのものは失われゆきます。レクイエム。不意に、中上自身が８ミリで撮った「路地」の映像がはさまれてさえ、決して「路地」は揺らぎませんでした。あるいは揺らいではならなかったのかも知れません。 価格 ５０４０円／紀伊國屋書店／坂本龍一音楽／廃盤となりました。 よろしくお願いいたします。